算定基礎届と月額変更届についてのご紹介です。社会保険の手続きや社会保険の加入、給与計算サービスなど業務効率化とコスト削減をバックアップ致します。

【算定の方法】
4 月・ 5 月・ 6 月の報酬の総額をその月数（ 3 月）で割り、それを報酬月額として標準報酬月額表にあてはめ、標準報酬月額を決定します。ただし、各月の 支払基礎日数 ※ が 17日以上 である必要があり、たとえば、
次のような場合は、 5 月を算定せず、 4 月・ 6 月の報酬の総額で決定します。

	4 月	5 月	6 月
支払基礎日数	20 日	15 日	20 日
報酬額	200,000 円	150,000 円	200,000 円
算定基礎の対象	○	×	○

（ 200,000 円＋ 200,000 円）÷２月＝ 200,000 円（報酬月額）
※　支払基礎日数とは、給料を計算する基礎となった日数です。
完全月給制の場合、出勤日数に関係なく暦日数が支払基礎日数となります。
日給月給制の場合などは、所定労働日数から欠勤日数等を引いた日数が支払基礎日数となります。
日給制の場合は、出勤日数が支払基礎日数となります。

【算定基礎届の対象者の区分】

対象者	・ 7 月 1 日現在被保険者である人で、 5 月 31 日までに資格取得した人。 ・ 7 月 1 日現在被保険者である人で、 7 月・ 8 月の退職予定者 ・ 7 月 1 日現在被保険者である人で、休職者、海外勤務者
対象外の人	・ 6 月 1 日から 7 月 1 日までの間に被保険者資格を取得した人 ・ 6 月 30 日（資格喪失日 7 月 1 日）までに退職した人 ・ 7 月・ 8 月・ 9 月のいずれかの月から随時改定（月額変更）または育児休業終了時改定が行われる人

【保険者の算定】
以下のような定時決定または資格取得時の決定の規定では標準報酬の算定が困難なときや算定した額が著しく不当になるときは、保険者において標準報酬を決定します。
・ 4月・ 5月・ 6月すべての月の支払基礎日数が 17 日未満であるとき
・ 4月・ 5月・ 6月に病気欠勤等や育児休業等で報酬を受けていないとき
・ 4月・ 5月・ 6月のいずれかの月にさかのぼり昇給の差額を受けた
・ 4月・ 5月・ 6月のいずれかの月に 3 月分以前の給料遅配を受けた
・ 4月・ 5月・ 6月のいずれかの月または全部に定額の休職給を受けた等

【パートタイマーの算定】
パートタイマーについては次のような取扱いになりますが、算定基礎届の備考欄に「パート」と記入します。

支払基礎日数	算定対象月
4 月・ 5 月・ 6 月のいずれかの月（ 6 月）が 17 日以上	6 月の報酬で算定する
4 月・ 5 月・ 6 月のいずれかの月（ 5 月・ 6 月）が 17 日以上	5 月・ 6 月の 2 か月の報酬で算定する
4 月・ 5 月・ 6 月のすべての月が 15 日以上 17 日未満	4 月・ 5 月・ 6 月の 3 ヶ月の報酬で算定する
4 月・ 5 月が 15 日以上 17 日未満、 6 月が 15 日未満	4 月・ 5 月の報酬で算定する
4 月のみ 15 日以上 17 日未満、 5 月・ 6 月が 15 日未満	4 月の報酬で算定する

【月額変更届を出すとき】
（ 1 ）固定的賃金に変動があること
（ 2 ）引き続く 3 ヶ月のすべての月の支払基礎日数が 17 日以上であること
（ 3 ）引き続く 3 ヶ月の平均による標準報酬月額と適用されている標準報酬月額のとの差が 2 等級以上あること（固定的賃金のみで 2 等級以上の差もしくは固定的賃金と変動的賃金をあわせて 2 等級以上の差があること）

【固定的賃金と変動的（非固定的）賃金】

固定的賃金　例	基本給、日給、職能手当、役職手当、家族手当、資格手当、住宅手当、通勤交通費、歩合給の率など
変動的賃金（非固定的賃金）例	残業手当、特別奨励金、精皆勤手当など

【固定的賃金の月額変更のパターン】

固定的賃金	増	増	増	減	減	減
非固定的賃金	増	減	減	減	増	増
2等級の差	増	増	減	減	減	増
月額変更	○	○	×	○	○	×